村井's 投資読書を成果につなぐ実践記録

【第69回】「なぜ真のリーダーがいないのか」「はじめての課長の教科書」 このエントリーを含むはてなブックマーク 

読書が優れていることが、今回紹介する本を読んで心から納得できました。
その本は、3月2日付の読売新聞で土井英司さんが紹介していた「はじめての課長の教科書」(今日、紹介しますが、激しくおススメ!)
この本の中のコラム「テレビがダメで読書がアリの本当の理由」には、
「(本の情報は圧縮されているから)『文章に圧縮された情報を解凍する能力』を身につければ、テレビと比較しても圧倒的に優位な情報の世界が開けます」
この本は、読書以外についても万事がこのような説明ぶり。必読です。
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【タイトル】
 「なぜ真のリーダーがいないのか」(リー・アイアコッカ氏著;ダイヤモンド社)
 「はじめての課長の教科書」(酒井穣氏著;ディスカヴァー・トゥエンティワン)


【この本を選んだ理由】
 「なぜ〜」は、クライスラー社を再建したスーパー経営者の発言をインストールするため。
 「はじめての〜」は、マネジメントについて、世間に流通しているものとは違った説明に触れたかったため。この本は大当たりです。


【本の内容と、読んでわかったこと】
「なぜ真のリーダーがいないのか」
・リーダーシップの条件は9C(好奇心、独創的、コミュニケーション、人間性、勇気、信念、カリスマ、力量、常識)
・「人間性を知るには、その人に権力を与えてみることだ」
・チームの意見がひとつでトップと同じなら、状況に何か懸念すべき点がある証拠
・「たとえ仲間に見捨てられ、ともに裏切られ、職場を追われても、言葉をあやつる力をもっている者はいまだ怖れるに足る存在」
・政治でもビジネスでも率直さは資質
・世界のリーダーは嘆いている友人を気にかけ、希望とともに人々を感化する人
・チャーチルを偉大なリーダーたらしめた特質の1つは歴史について想像力を働かせることができたこと
・どれほど強固な壁を築いても、進歩の大波をせきとめたり人々を外の風から守ることはできない
・国家が壁を築くのは、複雑な問題を解決するための想像力に欠けているため
・協力関係を築くときの妨げとなる最大の障害は、相互理解の不足
・企業でも国家でも、運営の最終責任はどこか一か所が負わなければならない
・優秀なリーダーは、会社の建て直しに自分も参加しているという意識を社員に植え付ける
・アメリカの自動車メーカーは、年金、医療保険、労組、規制、貿易不均衡などのため、生産コストが高く固定されている
・人生は3つの段階(学ぶ、稼ぐ、返す)から成っている
・子供に10億ドルやったら、働くことも、考えることもしなくなる
・健康の秘訣は、知的訓練、運動、人との触れ合い、目的を持つこと

●リーダーシップの原理原則に正面から挑むというよりは、現在のアメリカに対して苦言を呈するなかで間接的にリーダーシップに触れるという感じ。成功と失敗を繰り返してきた著者だから、ハッとする文章も多数あった。


「はじめての課長の教科書」
・欧米を中心に開発されたマネジメント理論は、経営者と従業員に分ける二元論をベース
 →日本の企業組織では、経営者は従業員の延長線上の存在なので、対立しない
・直接の人事権が及ぶ範囲は、部長よりも課長の方が圧倒的に多い
・課長は、部下・顧客・部長の3方向の対立する利害を調整
・課長はマネージャー、経営者はリーダー
・課長は実務からはほとんど引退。部下のモチベーション管理が最も大切な仕事
・課長は、部下各人のプロフィールを徹底して熟知しなさい
・現代の企業の仕事は、個人で完結させられる性格ではなく、本質的にチームワークを前提とした団体戦
 →だから、チームワークを破壊した成果主義は失敗
・官僚型組織である役割分担が明確な企業では、現場情報は経営者まで伝わらず、逆に経営情報も末端の社員に伝わりにくい
 →役職と見かけ上の実力が一致しやすく、予想外のシナジーが期待できないため、イノベーションが起こりにくい
・ルーティンワークから逸脱する例外をすばやく発見し、決断を下す柔軟性が役職の権威を正当化
・「経営管理の96%はルーティン的な定例反復業務」
 →ルーティンワークを格下の退屈な仕事だと考えるのは間違い
・「トップダウン」「ボトムアップ」のコンセプトには、ミドル(中間管理職)の存在がスッポリ抜け落ちている
 →中間管理職は、夢と現実のギャップを橋渡しする「ミドルアップダウン」
・悪い情報がどれだけ素早く部下から上がってくるかが、課長の死活問題
・部下をほめることの反対は、叱ることではなく、無関心でいること
・人間とは、自分から変わることには抵抗しないが、自らを誰かに変えられることには強く抵抗する
細かく部下の仕事ぶりをチェックし、些細なことでも指示する管理手法を経営学では「マイクロ・マネジメント」と呼び、軽蔑される
・ストレスをかけるほどパフォーマンスが上がる「ゾーン2」状態に部下を置く
・人事評価は、経営者層は企業の成長に、ミドルは予算達成にそれぞれリンク
 →予算管理の数値目標は形骸化する宿命
・人事評価の結果は文書で半永久的に残され、将来の昇進の機会には毎回必ず参照される
・現代のギスギスした世の中に必要なのは「君の評価はB++」ではなく、「よくやったな」といったシンプルで人間的なコミュニケーション
・「第一のゲームの予算管理」と「第二のゲームの部下の人事評価」は、「第三のゲームの社内政治」というより大きなゲームに含まれる
キーマンとは、オフィシャルには決定権の及ばない数多くの議題に対し、影響力を発揮することに長けている人
・日本企業の場合、女性のベテラン職員がキーマンである場合も多い
・ビル氏は内部のキーマンに焦点を絞ってコミュニケーションし、小さな政治力を結集させ最大限に活用することで大きな成果を出した
・政敵をほめると、相手の心理的なバネが破壊される
キーマンになるためには、企業全体の利害を優先させつつ、自らの責任範囲を大幅に超えて、公式非公式に多くの社内横断的なプロジェクトに献身的につながっていくこと
・経営者や人事部は、課長が問題社員にどのように対処するか注目している
・多少の問題がある人をクビにしたり無視する人間は、リーダーたるべき資格がない
・心の病のきざしに気づくのは女性が多い
 →すぐに教えてもらえるようにお願いする
・格下だと思っていた国の企業から、日本人のほうが下流を任される時代はそこまで来ている
・転職したら、そこのルーティンワークを覚えることから始める
大企業病の本質は、本来昇進すべきでない偽者が昇進していることに尽きる
・本当に凄い人物をたくさん見る経験を重ねることでしか、人物を見る能力を鍛えることはできない
・人間として成熟することなしに昇進がありえるのは、せいぜい係長まで
・ベテラン係長の活性化には、将来性のある優秀な係長と業績を競わせる
・部下から無駄な攻撃を受けないために、普段から小まめに権威付けしておく
・リーダーシップの本質は、価値観や雇用形態を越えて、周囲の多くの人々から「この人と一緒に仕事をしたい」と思われること
・怒りに任せて行った判断は、怒りの解消が目的になり、合理的にはならない
・強い絆の集団は「仲良し集団」
 →意見の正当性よりも関係維持に心理が流れる
・将来の幹部候補は、花形部署に配属される
課長にまでなった人材が職を失うのは、スキル不足ではなく、業界の不況が原因
・最も強い者でも、最も賢い者でもなく、唯一生き残るのは変化できる者
・起業はほぼ失敗する
・激しい市場の変化のなかで、アイデアの所有者意識に経営判断が縛られること自体、そのベンチャーの失敗を意味する
・本で得た知識は、実際に実行することで、直感的な思考法を司る小脳に経験として刷り込める
・テレビの情報の特徴は、ほとんど圧縮がかけられていないため、子供でも楽しめる
 →本で、圧縮された情報を解凍するトレーニングをしないと、大量の情報を処理する力が養えない
・人間を相当深く理解することなしに金儲けはできないほど、競争が激化
 →経営学をより人間学に近くさせ、面白くしている

●長くなったが、これでも足りないくらいに付せんつきまくり。今年、最初の三重丸評価!!
上の文章を書いていても、ワクワクするほどの本。組織で働く人は必読!!!


【読書スピード】
「なぜ真のリーダーがいないのか」は8日間で読了
「はじめての課長の教科書」は3日間で読了
「はじめての〜」は平易なのに、読み応え抜群!!
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良書は、「なるほど!」と心の底に埋もれていた考えや感情を引き出してくれるんですね〜
そこらへんのマネジメントの本100冊分の価値が、紹介した本にはありました。

投稿者 むらい : 2008年03月02日 21:30 

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コメント

はじめまして。ご紹介いただいた本書『はじめての課長の教科書』の著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。そして・・・著者としてはこれ以上ないぐらいにお褒めの言葉を頂戴し、恐縮しております。

冒頭にご紹介いただいたコラム、「テレビがダメで読書がアリの本当の理由」は、僕自身がとても気に入っているもので、(本書では最後なのに)導入にそれを持ってきていただいたことがまた、格別に嬉しいです。

また、遊びにきます。今後とも、よろしくお願い致します。

投稿者 NED-WLT : 2008年03月03日 02:22


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