寺田's 学びを成長につなぐフォーカス発想のススメ

速読ブームは来るか? このエントリーを含むはてなブックマーク 

 昨年、『フォーカス・リーディング』が大ヒットした時、「再び速読ブームが来た!」という言い方がされました。ビジネス誌でも、ビジネススキルとしての新世代速読術として語られてきました。
 
 そのブームに乗って、速読に関する本が何冊か出版されています。(しばらく、速読の本って、ほとんど影を潜めていたのですが…)
 
 しかし、結果として「速読の本は売れなかった」ようですし、速読ブームは来ませんでした。
 
 昨年の春に勝間和代氏がテレビで速読術を披露した時に起こった瞬間最大風速的な盛り上がりは、ほぼ一瞬で終わりましたし、氏の書籍に影響を受けた人の動きは多少あるものの、大きなうねりにはなっていません。
 
 もちろん、氏が名指しで紹介した神田氏の講座と園氏の講座(および書籍)は大人気です。
 
 しかし、そのような人気も波及効果を生むことも、うねりになることもありません。
 
 
 
 その理由は明白です。
 
 「夢のような速読術はどこにもなかった」からです。
 
 そこにあったのは、読書の技術と読書のパラダイムシフトだけ。
 
 いや、その価値は非常に高いものなのです。ただ「速読ではない」と。
 
 そして、フォーカス・リーディングだけでなく、その直後に出版された小宮一慶氏や奥野宣之氏による読書論も、速読という「効率を求める技術」よりも「本を効果的に読む方法」を指南し、その重要さを説くものでした。
 
 
 
 ところで、よく受講者の方から「ここまでノウハウを公開して、他教室にパクられる心配はないのですか?」と聞かれます。
 
 実は私がフォーカス・リーディングを書いたとき、ただ夢と幻想を煽り、使いようのない技術を売り続けてきた業界が健全化することを期待していました。これまで私のところに相談にいらっしゃった教室の指導者さんたちに参考になればと思ってノウハウを公開しています。
 
 パクられることで業界が健全化すれば、おのずと「速読」というものの価値が上がると考えていますので、むしろ「大いに結構」という認識です。
 
 ですが、とりあえず「健全化」という動きはなさそうで、相変わらず「人間には1冊の本を○分で読む能力が…」とか「右脳の処理スピードは…」とか、夢と可能性ばかりが目に付きます。(おそらく確信犯として言っているのだとは思いますが。)
 
 
 
 何年か前に、ある速読FCの社長に「うちの会社の10年後は暗い。何とかして欲しい。」という相談を受けたことがありましたが、こういう根本的な部分を変えない限り、確かに明るい明日はないだろうなと思います。
 
 当たり前の話ですが、脳のどこを使っているかはともかくとして、人間にはできることとできないことがあります。そして、「できること」は「できるようになるためのトレーニングと反復練習」によってしか生まれません。
 
 
 
 とりあえず、夢のような速読術はない。
 
 だけど、正しいトレーニングを積み重ね、読書経験を積み重ねることで、確かな速読の技術は手に入ります。
 
 そして、その速読術は、あくまで「読書を豊かにするための、1つのスキルに過ぎない」のです。
 
 
 
 「速読ブーム」のようなものは来ないでしょう。少なくともフォーカス・リーディングの影響では。
 
 むしろ、あの本が1つのきっかけになって「効果的で本質的な読書のあり方」を模索するような動きが広がればな、と思う今日この頃です。
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本日の充実度本日の本の種類
堺屋太一著『知価革命』(再読/〜P.192)

投稿者 てら : 2009年04月13日 14:57 

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