寺田's 学びを成長につなぐフォーカス発想のススメ
[書感]自分の行き先についての迷いを晴らす1冊
■『フォーカス』(アル・ライズ著,海と月社刊,43文字×16行×377ページ)
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パーソナルブランディングだとか、ポータブルスキルだとか、何かと個人が力を付けて自立することがキーワードとして語られる時代です。
では、具体的に私たちは何を学び、何を磨けばいいのか?
ともすると、不安に陥り、メディアに煽られ、いたずらに目の前の新刊書やセミナー、あるいは何かのスキル、資格に飛びつきがちです。
しかし、企業であれ個人であれ、時代を勝ち抜くしなやかな強さを手に入れようと思ったら、絶対に間違えてはならないことがあります。
それこそが、本書のタイトルでもある「フォーカス」。
著者アル・ライズは「ブランドは広告でつくれない」、「ポジショニング戦略」、「ブランディング22の法則」などの著書を持つ、企業ブランディング戦略の専門家。
本書で、著者は、企業が勝ち残っていくために何をすべきか、どう戦略を立てるべきかということを「フォーカス」というキーワードで(これでもか!と言わんばかりに)語り尽くしています。
この「フォーカス」という発想には、実は私たち個人が、自分の生き方、仕事の仕方を考える上で、絶対に踏み外してはならない真実があります。
自分はこれからどう学んでいけばいいのか? どう強みを磨いていけばいいのか? そんな悩みを抱えているあなたにはメガヒット間違いなしの1冊です。
厚さに負けず、ざくざくと読み進めていくだけでも大いに学びが得られますので、果敢に挑戦してもらいたい1冊です!
●厚さに臆せず、ざくざく進んで「吉」
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この本は、がっぷり四つに組んで戦うようなハード系の本ではありません。
アメリカのビジネス書にありがちな、自分の主張の正しさを徹底的に例証していくタイプ。
なので、370ページというページ数に臆せず、トップダウンでざくざくと読んでいって、気になる事例や言葉に反応したときだけスピードを落として読んでいくという、いわゆるスキミングという手法で読み進めることが可能です。
※ちなみに、私は1回目を40分で読み、2回目を30分で読み重ねて、この記事を書いています。スキミングって何?どうしたらそんなに速く読めるの?という方は、ぜひ『フォーカス・リーディング』をご一読くださいませ。
●チェックポイント
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私たちは、自分がどうありたいと思っているか、どう見られたいと思っているかに関わらず、他者から貼られているレッテルというものがあるものです。
実はこれこそがブランドというヤツです。
ギリシア語で「よさ(徳)」のことを「アレテー」と言いますが、これこそがブランドというヤツの正体と言っていいのではないかと思うんです。
例えば「馬のアレテーとは、よく走ることである」と決めつけられます。当の馬本人(?)がどう思っているかは別として、馬を取り巻く人々が「馬の価値って、よく走ること。速く走ってこその馬だよな」なんて思うわけです。
ソニーのブランドはソニーが発信するものではなく、ソニーのユーザーが勝手に思い込んでいるものなんですね。
だから「これって、ソニーらしくないよね」なんて言われてしまったりするわけです。そうすると、せっかく「新しいジャンルに挑戦!」とかやってるのに、市場から見放されてしまうなんてことも起こります。
この「らしさ」ってやつは、しっかりと戦略的に作っていかなければならないし、育てていかなければならないわけです。
名著『ビジョナリーカンパニー2』にハリネズミの戦い方を例えとした話が出てきますが、自分の守るべき戦い方は何だろうか?自分は何によって強くあれるのだろうか?ということを、常に見定めておかなければなりませんね。
ビジョナリーカンパニー2では、「熱狂できること」×「1番になれること」×「利益が生まれること」の3つの論理積で考えるように促されています。(3つの要素それぞれをどう表現していたか、ちょっとうろ覚え…)
これを個人で考えると「熱狂できること」×「1番になれること」×「仕事の現場に生きること」と言い換えることができるでしょうか。
そして、それは本書の言葉を借りると「人の記憶に残る言葉」で語られるべきだし、「ひとことでできる」ものでなければならないのです。
これは、まさに「くちこみされる」絶対条件ですね!
そしてもちろん、時代が変わり、環境が変わってきたときに、しなやかな身のこなしが求められます。
「1番になれること」は、常に「その時代に求められること」でなければ価値がありません。
その時に「変わる」ことが求められるかもしれません。しかし、ただ変わっても、フォーカスが狂ってしまうから気をつけろ、と著者は警告を発します。なんとも悩ましい話です!
どう変わっていくのか、あるいはどう変わらずにいるのかということについても、現実の例をふんだんに用いながら、説得力ある説明を展開してくれています。
それにしても、本の中に登場するペプシやIBMなど様々な“フォーカスがずれた”企業の話。
ちょっとびっくりする話ばかりです。超巨大企業、儲かってそうなあの会社が、実はフォーカスを失ったがために利益率の悪いビジネスをやっていたとは・・・!
とすると、今、総合デパートになりつつあるamazon.comは、いったいビジネスとしてどうなんだろう?と考えてしまいます。
amazonのフォーカスはどこにあるのか?今の拡大路線は、そのフォーカスを失わせていないのか?(8年ほど前でしたか?大前氏が、amazonが書籍以外に進出したらコケルという話を雑誌SAPIOに書いていたような記憶があります…。)
そして、もちろん、自分の会社は、自分自身はどうなんだろう・・・?
そこが一番大事なテーマです。
絞り込めば絞り込むほどに利益は上がる。
この一見、逆説的に見える真実をどこまで真摯に受け止め、愚直に実践できるか。
目先の儲かりそうなことに惑わされず、長く世の中に愛され、必要とされる存在で居続けるために、大事にしていきたいとしみじみ感じました!
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※『フォーカス』…7月はアル・ライズ攻略月間にしようと思うほどにインパクトがありました!

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