寺田's 学びを成長につなぐフォーカス発想のススメ

太りゆく豚は幸せか? このエントリーを含むはてなブックマーク 

 誰の言葉だったか「太りゆく豚は幸せなのではない」というものがあります。
 
 その言葉の意図はさておき、読書についてやはり思うことがあります。
 
 みんないい加減、多読を目指すのやめましょうや。(^^;
 
 あと、読書感想文型、言葉抜き出し型ブログもね。
 
 この3年ぐらいの間に読んだ本を眺めながら考えて欲しいんですよ。
 
 その積み上がった本の中で、心に刻み込まれて、今も思考や行動を支え続けてくれている言葉がいくつあるか。
 
 人間が何かを学ぶってのは、実は相当大変なことなんですよ。生半可な気持ちで身につくものなんか絶対にない。
 
 よくインプットしたらアウトプットしなさいなんて言う人がいますよね。でも、忘れちゃいけないことがあるんですよ。インプットとアウトプットの間には、処理という過程があるんです。
 
 考えなければいけないと思うんですよ。
 
 お笑い番組を毎日見てたら、お笑い芸人になれるのか?
 
 数学の授業を受けるだけで(聞くだけで)数学が得意になるのか?
 
 読書感想文をたくさん書いたら、文章や書評が上達するのか?
  
 無理ですよね。
 
 何かをマスターする、習熟するってことは、正しいやり方を知った上で(知識)、体験しつつ反省し(思慮)、やり方を身につけなければなりません(技術)。その知識+思慮+技術が、あなたならではの知恵を作るわけです。血肉となった強固な知恵を。
 
 書評ちっくなブログを書いている人は、少なくとも他人の本、文章の分析の仕方を学んだのか?思考の方法、フレームワークを身につけたのか?文章表現の方法を学んだのか?そこをまず問わなければなりませんよね。
 
 そもそも、イマドキの読みやすい本ばかり読んで書評ができるのかってことも気になります。そのベースとなる古典、名著を読んできたのかってこと。
 
 本のソムリエなぞ名乗っている人が時々いますが、どれだけのバックグラウンドを持って、1冊の本を語っているのか興味津々です。読みやすい本を手にとって、感想を書くぐらい誰でもできる。そして、そんな作業にほとんど価値はない。
 
 安いワインしか飲んだことのないソムリエの薦めるワインなど、私は飲みたくない。
 
 スローリーディングを説いた若い文学者が速読で身につけた知識など贅肉のようなものなどと喝破しましたが、速読だろうが遅読だろうが、鍛え上げられていない知識は贅肉でしかありません。
 
 太りゆく豚は幸せかどうか分かりません。
 
 太った豚はおいしいお食事になる可能性がありますが、無駄な知識は活かされることなく消えていきます。そのためにどれだけのコストを払ってきたのか考えると、ちょっとお寒い話に感じてしまいます。
 
 成長を期待するなら、自分のベースをあげるような本を読まなければならない。これだけは確かです。
 
 そして、ベースをあげるためには、読んだ後に、テーマを持って考え抜き、あるいは行動に移し、最終的に自分の知恵として再構築していかなければなりません。
 
 だとしたら、どういう本の読み方、読み重ね方、処理の仕方をしなければならないか考える道筋が見えてくるのではないでしょうか。
 
 太った豚を目指すより、スリムに鍛え上げられたソクラテスを目指す。
 
 そんな読書を志向するのも1つの道かと。
●●

[2009.02.08追記]
コンサルタント坂田氏がブログ『ロジカルブランディング−論理的なブランド戦略−』の中で、似非書評家のことを書いていらっしゃいます。
>>「書評家と読書家の境界線」
私とは視点は違いますが、本に対して反応し、感想を書いている人たちのことを単なる読書家でしかないと書いていらっしゃいます。
私は実はもっとレベルが低いと思っていて、特にレバレッジ・リーディングなどの本で紹介されるような書評家たちは基本的にアフィリエイターでしかないと感じています。

投稿者 てら : 2008年12月04日 10:54 

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